卒業式の告白を叶えたい元教え子に、こじらせ先生は溺愛される~再会は深愛の始まり
「私は奈菜の教え子だったんですが、いつ高山先生はあの高校に?」
「新庄先生の1年後輩になります。いやー、新庄先生とは昔、色々ありましたが、本当に可愛い人ですよね」
「色々?」
耀の顔が一気に曇っていった。
「ふ、深い意味はないから。ねっ、高山先生」
「まぁ、先生から抱きつかれたり、ですかね」
「ちょ、ちょっと、その話は」
「それはそれは。うちの奈菜がお世話になりまして」
耀、完全に怒ってるよぉ。
「私はこれで失礼しますね。奈菜、家で待っててね」
私を抱きしめて、帰って行った。
「先生の彼氏さん、かなりのやきもち妬きですよね」
「う、うん」
私は、今日家に帰った時のことを考えると、怖くなってきた。

「奈菜、俺が冷静な間に、全部話して」
夜、案の定、ソファに座らされて、横に座る耀は腕組みをしている。
「あっ、あれはね、バスケの合宿で急に停電になったから、びっくりして、隣に居た先生に抱きついちゃったの。でも、直ぐに離れたよ」
「それで、他には?」
「それだけだよ」
「言っただろ?俺が冷静な間に、正直に話した方がいいよ」
「・・・雨が降って、私、傘持ってなかったから、入れてもらって一緒に帰った・・・」
「それで、あとは?」
やっぱり言わないといけないかな・・・
「奈菜?それで終わりなの?俺に隠し事しないよね?」
「えぇっと・・・告白、されたんだ。でも私、彼氏いるからって断ったの」
耀は大きなため息をついた。
「やっぱりね。初対面であの言い方して、挑発してきたんだから。久々にあった奈菜への思いが再熱したってことだな」
「私は耀だけだから」
「わかってるよ。それでも、嫉妬はするさ。奈菜が俺の立場だったら、どうなの?」
耀が・・・考えただけで、悲しくなる
「やだ」
「そうだろ。俺も今の奈菜と同じ気持ちだよ」
私は耀の首の後ろに手を回し、抱きついた。
「まぁ、そのうち諦めるだろ。俺達がこんなに愛し合っているのを知れば」
耀はそのまま抱きかかえて、私をベッドに運んだ。
「今日は、俺を嫉妬させた罰だよ。覚悟して」
嫉妬した耀にたっぷりとじらされてから、熱い愛情を体に受け入れ、私は蕩けてしまうほど、幸福感で満たされた。
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