卒業式の告白を叶えたい元教え子に、こじらせ先生は溺愛される~再会は深愛の始まり
【デートを掛けた勝負の行方】
「せっかくの休みだし、前に行ったバスケコート、行ってみる?」
「うん、運動になるしね」
「そうだね、ここのお肉が出ないように」
そう言って、私の横腹を触った。
「もーっ!まだ大丈夫だから!」
「いつも見てるから知ってるよ。でも、どんな奈菜でも愛するから」
「そんなこと言っても、許しません」
私は、ふんっ!と横に顔を向けて、出掛ける準備を始めた。
「拗ねた顔も好きだよ」
そう言って、私を後ろから抱きしめる。
もう、私の扱い、慣れすぎだよ。

バスケコートでシュートを打ったり、また勝負したりと、時を過ごしていた。
「そろそろ帰ろっか」
「うん、じゃあ、最後フリースローしてから」
私がフリースローを打ってると、1人の男性が近づいてきた。
「やっぱり、北見さんと新庄先生だ」
1人の男性が声をかけてきた。
「高山先生、どうしてここに?」
「たまに来るんですよ。ここ、広いから」
すると、耀が近づいてきた。
「高山さん、こんにちは。私達はそろそろ帰りますので、どうぞこのコート使って下さい。奈菜、帰ろうか」
「うん。じゃあ、失礼しますね、高山先生」
私達が帰ろうとした時、
「北見さん、僕と勝負しませんか?」
「勝負?」
「そう。フリースローでね。10回中、どちらが得点を取るか。僕が勝ったら、新庄先生とデートさせてくださいよ」
「その勝負、俺のメリットないでしょ」
今まで高見先生に対して、丁寧に話していた耀が、いつもの耀に戻った。
「負けたら、もう新庄先生を諦めるよ」
「やらない。奈菜は物じゃないんだ」
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