ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
 媚薬を飲んだエミが、急に身体をくの字に折り曲げた。

「あるぇ、なんか……、めっちゃアツい……。胸……、ドキドキ、する……」

 耐えられなくなった様子でエミは床に膝をつく。肩で息をしている。呼吸が乱れて苦しそうだ。
 ディルは慌ててエミを抱き上げ、ベッドへ運んだ。

「言わんこっちゃない! 飲んだものを全部ペッしなさい、ペッ!!」

 飲んだばかりの媚薬を吐き出させようと、ディルはエミの唇にさしこむ。えずかせて、無理やり胃の中の媚薬を吐かせる気だ。
 しかし、エミは咥内に含まされた指を、甘噛みした。
 予想外の行動に驚いたディルが、手を引っ込めようとした。しかし、エミがその手を両手で抱くようにしてそれを阻止する。
 エミは咥えた指に舌を這わせ、じゅるり、と卑猥な音をたてて舐めあげた。

「なっ……!?」

 エミの色づいた唇が、ディルのゴツゴツした指を丁寧に愛撫する。そのたびに柔らかな胸にディルの腕が押しあてられた。(ああ、柔らかいな……)と、一瞬うっとりしたディルだったものの、そんなことを考えている場合ではない。
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