ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
ロイの視線を受けて、国王は豪奢な椅子の上で居心地悪そうに身じろぎをした。まさか息子を断罪することになるとは、夢にも思っていなかったのだろう。
国王は熟考のすえ、重いため息をつく。
「第一王子派閥の貴族たちは、いますぐ取り調べを行い、その罪を明らかにせよ。処罰はその際に決める。……そして、取り返しのつかない過ちを犯した、我が息子 エリックよ。お前は視野が狭くなっているようじゃ。しばらく世界を見てくるがいい」
それは、実質的な国外追放宣言だった。王子に対する処罰としては極刑の次に重いものだ。王の間にどよめきが起こる。国王が控えていた衛兵たちに合図すると、第一王子派の貴族たちは衛兵に続々と捕らえられ、地下牢に連れて行かれた。
諦めの悪いエリックは、激しく抵抗した。
「イヤだ、父上! 俺は第一王子で、俺こそが次期国王なんだ! 俺より劣っているロイなんかに、王位はわたさない! 先のハド王国との戦争だって、俺の手柄で……、そうだ、聖女エミ!」
「えっ、あたし!?」
急に名指しされたエミが目を丸くする。エリックは片頬をつりあげてニヤリと笑った。
国王は熟考のすえ、重いため息をつく。
「第一王子派閥の貴族たちは、いますぐ取り調べを行い、その罪を明らかにせよ。処罰はその際に決める。……そして、取り返しのつかない過ちを犯した、我が息子 エリックよ。お前は視野が狭くなっているようじゃ。しばらく世界を見てくるがいい」
それは、実質的な国外追放宣言だった。王子に対する処罰としては極刑の次に重いものだ。王の間にどよめきが起こる。国王が控えていた衛兵たちに合図すると、第一王子派の貴族たちは衛兵に続々と捕らえられ、地下牢に連れて行かれた。
諦めの悪いエリックは、激しく抵抗した。
「イヤだ、父上! 俺は第一王子で、俺こそが次期国王なんだ! 俺より劣っているロイなんかに、王位はわたさない! 先のハド王国との戦争だって、俺の手柄で……、そうだ、聖女エミ!」
「えっ、あたし!?」
急に名指しされたエミが目を丸くする。エリックは片頬をつりあげてニヤリと笑った。