冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
端正な顔つきで心配されまくっても、追いつけないから意味がない。
せっかくの綺麗な容姿が台無しだ。
「……っ、ああ。すまない、少し喋りすぎたね」
「…まあ、お父さんらしいけど」
ボソッとそんなことを言うと、お父さんは一瞬驚いたような顔をして、嬉しそうに目を細めた。
「……学校はどうだい?」
「ふふ、最初の質問それ?」
「うん、そうだよ。何か大切なものを文句でもあるのか」
「いーや、ただ、お父さんらしいなって思って」
お父さんは、“らしい”って言葉が気に入っているみたい。それならたくさん言ってあげよう。
喜んだ顔を見られたのなら、わたしがここに来た意味があったってことだから。
誰も幸せにできないわたしが、お父さんを笑顔にできるのなら。
どんなことだってできる。