HONEYHOLIC（３）リゾートシンデレラ～十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました～

「どうぞ…」
と秘書の陽依さんが俺たちにコーヒーを供した。

「ありがとう…陽依さん」

「いえ」

「でも、樹生君…君の直属の部下となる派遣社員が君の恋人だろ？色々とマズいよ…どうするの？」

「すいません…和己さん…和己さんにはご迷惑御お掛けしまして…」

「真面目な樹生にしてはやるわね…」

父さんを通して和己さんと姉貴にも恋良の事が知られてしまった。

事態の収拾は恋良を退職させて、俺と結婚する。

しかし、それは難しい話で、彼女をこのまま社に残して俺が『アクティビティコンサルティング』に戻って退職して、父の後を継ぐべく「順天堂」に行く、それがベストな方法だった。