惚れた弱み


「んー、どれも可愛いなぁ。」


「橋本ちゃんは、何色が好きなの?」


「黄色とかオレンジとか、暖色が好きですね。」


「お、いいね。帯も黄色だもんね。橋本ちゃんに、よく似合う色だと思う。」


「そうですか?嬉しい!ありがとうございます。」


へへ、と照れ笑いしながら菜々は御礼を言った。


――こんな反応してくれるんなら、いくらでも褒めたくなるな。


「矢嶋先輩は何色が好きですか?」


ふいに尋ねられ、悩んでから、黄色、緑、青と答えた。


「黄色、緑、青…。」


そう呟きながら菜々はブレスレットを眺めている。


そんな菜々を横目で眺めながら、パッと目についたブレスレットを取り上げた。


シルバーの鎖に黄色のコードを合わせてあるブレスレット。
黄色いコードの所々にキラキラ光るビーズが通してある。

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