惚れた弱み


博孝は、朝からリビングで姉達と団らんしながら、部屋探しを進めていた。


ちなみに矢嶋姉妹は、一番上の(あん)が26歳、2番目の(すず)が24歳の社会人だが、まだ実家暮らしをしている。


「へー!最近の学生マンションって、おしゃれなのねー。ほら、こっちはカウンターキッチンになってる!」


「ホントね!でも、こっちの独立洗面台になってる方が絶対使い勝手いいって。化粧品とかここに置くと便利じゃない?」


「おい、誰の部屋探しなんだよ。そんなハイスぺな部屋じゃなくていいって。家賃払うの俺なんだから、もっと安い部屋に…」


「何言ってんのよ、博孝!彼女できたら部屋に連れてくでしょ?その時にオンボロアパートじゃカッコつかないよ?」


「か、彼女!?」


自分の生活のことばかり考えていたので、急に次元の違う話が舞い込んできて、妙に声が上ずった。


構わず姉達は話を続ける。


「そうよ?大学生で一人暮らしって言ったら、そーいう機会もあるでしょ、とーぜん!てかないと困るわ。」


「高校は陸上ばっかだったからね~。付き合った彼女も1,2か月しか続かなかったし。大学生になれば、もっと出会いの機会も増えるから、長続きする彼女を見つけられるように、頑張りなさいよ?」


「ハイハイ。」


適当に姉達の話を受け流しながら、引き続きPCで住む場所を探していく。

< 46 / 60 >

この作品をシェア

pagetop