肉を斬らせて骨を断つ
え、とその視線がこちらを向く。
「そりゃしてる……」
「お家柄が良いって聞いてたから、してないと思ってた」
「実家暮らしだけど雑費は自分で稼いでる」
「何してるの?」
「塾講師」
「うわ、似合うね」
純玲みたいな先生いそうだ。あたしはテーブルに肘をついて下から覗く。
「せーんせ」
きょとんと見られる。
「なんか反応してよ。恥ずかしいな」
「可愛いなと思って見てた」
「有料」
手を出すと握られる。離そうとするけれど、くっついてきた。
「じゃあ昼飯奢る」
何故か嬉しそうに言っている。そういうところは、よく分からない。