肉を斬らせて骨を断つ

目が覚めると病室だった。

医師からは患部が少しずれてたら危なかったとか、警察からは被害届をどうするかとか、色々聞かれた。

あたしを刺した男は酔っ払っていたしラリっていたらしい。

夏休みで良かった。もし試験とかと被ってたら、大学行けなくなってた。

それしか思えなかった。
それくらいしか無かった。

「なんであんたは本当に……」

スズさんがハナモトさんから聞いて、病室に来てくれた。なんか大きいフルーツセットみたいなものを持って。

「美味しそう。お腹から出そうですね」
「そういうブラックジョークはいいの!」
「ありがとうございます。お店大丈夫ですか?」

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