肉を斬らせて骨を断つ

きっと警察が行っただろう。

「店長がぼやいてたけど、あんたの所為じゃないし。それより傷は? 痕残るって?」
「残るんじゃないですかね……?」
「ちゃんと聞かないと。本当に心配」
「スズさんみたいなお母さんだったら良かったな」
「五歳も違わないでしょうよ」

じろりと睨まれた。多分、スズさんはフルーツを持ってきてはくれても、剥くことは出来ないだろうけど。

「来てくれてありがとうございます。一人だと入院費いくらなんだろーしか考えられなかったから」
「本当に金ばっかりかかるよねえ」
「生きるって大変ですよね」

スズさんが帰っていくのを見送り、あたしは横になる。

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