極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「後悔しているんだ。星奈を傷つけたことだけじゃない。彼女が記憶を失ったあと、どうして俺は逃げ出してしまったんだろうって」

現実から目を逸らすように星奈からも伯父からも距離を取った。あの行動が一番の過ちだったと思っている。

「俺は間違ってた。もう一度最初から、星奈と一緒に思い出を作っていけばよかったのに」

そう気づいたのは面接試験で彼女と再会したとき。

大人になった彼女を見て、後悔で胸が張り裂けそうになった。

彼女は自力で病を乗り越えこの場所に来た。普通に生きたいという夢をひとりで叶えたんだ。

彼女は誰の力も借りず、ひとりで闘うことを選んでいた……。

「今度こそ彼女のそばにいてやりたい」

『もう彼女はあのときのことを覚えていない。その役目を君がやる必要はないんじゃないのか?』

「今はそれだけじゃない」

あの日の俺は幼いなりの使命感で彼女のそばにいたが、今はそうじゃない。

再会して、まるで別人に生まれ変わったような彼女とともに日々を過ごした。

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