白い菫が紫色に染まる時
【2021年 冬 菫 東京 北海道 そして2022年へ】~白いけじめと紫に染まる~
【2021年 冬 菫 東京 北海道 そして2022年へ】
私は二十七歳になった。
私が大学生で道に迷っていた時に相談に乗ってくれた桜さんと同じ年齢だ。
確かに、桜さんが、かつて言っていた通り、この年齢になると仕事にやりがいを感じてくる。
自分に任せられる仕事が増えるからだ。
それもあり、私は、今が人生の絶頂なのではないかと思うほど日々が充実していた。
蓮くんとも、最初に決めた一緒に生活していくうえでのルールが崩れたことはなく順調に生活している。
そんな年の冬、クリスマスが近づき色づき始めている町を仕事帰りに歩いていたら、白い雪が降り始めた。
東京で雪が降るのは何年ぶりだろうか。
ずっと、見ていなかった気がする。
周りにいる人々はみな、空を見ながら各々が「雪だ!」と嬉しそうにしている。
その中で、私1人だけが、無邪気に浮足立つことができなかった。
それが嫌で急ぎ足で私は家を目指す。
そして、エントランスまで到着したその時、私のスマホが振動した。
電話だ。
こんな時間に誰だろうと思いながら、画面を見ると白澄からだった。
彼と話をするのは実に四年ぶりだ。
ラインは何度かしていたが、頻度は少ないし、それすらもここ一年はしていなかった。
久しぶりなので緊張したのか、それとも寒さからか携帯を耳に当てた手は震えていた。
「・・・もしもし」
「菫・・・。久しぶり」
「うん。久しぶり。それで、急にどうしたの?」
私は二十七歳になった。
私が大学生で道に迷っていた時に相談に乗ってくれた桜さんと同じ年齢だ。
確かに、桜さんが、かつて言っていた通り、この年齢になると仕事にやりがいを感じてくる。
自分に任せられる仕事が増えるからだ。
それもあり、私は、今が人生の絶頂なのではないかと思うほど日々が充実していた。
蓮くんとも、最初に決めた一緒に生活していくうえでのルールが崩れたことはなく順調に生活している。
そんな年の冬、クリスマスが近づき色づき始めている町を仕事帰りに歩いていたら、白い雪が降り始めた。
東京で雪が降るのは何年ぶりだろうか。
ずっと、見ていなかった気がする。
周りにいる人々はみな、空を見ながら各々が「雪だ!」と嬉しそうにしている。
その中で、私1人だけが、無邪気に浮足立つことができなかった。
それが嫌で急ぎ足で私は家を目指す。
そして、エントランスまで到着したその時、私のスマホが振動した。
電話だ。
こんな時間に誰だろうと思いながら、画面を見ると白澄からだった。
彼と話をするのは実に四年ぶりだ。
ラインは何度かしていたが、頻度は少ないし、それすらもここ一年はしていなかった。
久しぶりなので緊張したのか、それとも寒さからか携帯を耳に当てた手は震えていた。
「・・・もしもし」
「菫・・・。久しぶり」
「うん。久しぶり。それで、急にどうしたの?」