青春の坂道で
くっ付いたの離れたのって芸能界でも社会でもうるさいけどさあ、そんなのは本人たちでも分からないんだよ。 確かに不倫相手と再婚されたんじゃやってられないけどね。
縁なんて人間の知恵じゃ分からない。 縁が有りそうに見えて実はとんでもないやつだったりもする。
縁が無さそうに見えて実は最高の人だったりもする。 本当に出会いなんて分からない。
マッチングアプリなんて最近は流行ってるけどだからってそれが100パーセント正しいとは言えない。 凡そのデータから割り出して「まあいいだろう。」って相手を選ばせてるに過ぎない。
星座 血液型 性格 人相 手相、使える物は何でも使って「この人が最高です。」ってやってるだけなんだからさ。
実際に会ってみるまではどんな人間なのかも合うのかどうかも分からない。 縁って恐ろしいよね。
俺だって綾子と初めて会った時には何とも思わなかった。 ただ女の子から声を掛けられたことが衝撃で戸惑っただけ。
それから時々会うようになり、こうして一緒に飲むようにもなった。 やっと友達レベルって感じ。
でもどうなんだろう? 彼女って言ってしまったほうがいいのかな?
他のやつに取られたくないって気持ちも有ると言えば有るんだ。 【俺の物にしたい】っていう思いもね。
そう思うと宣言しといて良かったかな。 綾子もそうだったし。
のんびりと公園のベンチで日向ぼっこをしている。 と下宿のおばさんが歩いてくるのが見えた。
(何をしてるんだろう?) 気にはなるけど呼び止めるのも変だからそのまま見ていると、、、。
おばさんは俺たちには気付かずにバス通りへ行ってしまった。 「びっくりしたなあ。」
「何が?」 「おばさんが公園の前を通って行ったんだよ。」
「おばさん?」 「下宿のあのおばさん。」
「ああ、あの人ですね? なんか不思議そうな眼で見てたけど、、、。」 「どうもさ、風俗嬢でも連れ込んだんじゃないかって思ってるらしいんだ。」
「風俗嬢? 何ですか?」 「知らない? ソープとかピンクとか、、、。」
「ああ、ああ、そんな人たちと一緒にされてたんですか 私? 汚らわしい。」 「前にさあそんなことをやってたやつが居たんだって。 それも有るのかもね。」
綾子は何気にスマホを取り出した。 「そういえば私の高校時代の友達がビデオに出たって言ってたんですよ。 何かは聞いてないんだけど、、、。」
そう言いながらメールを探している。 「有った有った。」
『清楚な奥さんが実は大胆な喘ぎをする。』
「これさあアダルトだよ。」 「え? アダルト?」
「芝居だとか本番だとかいろいろ言われてるけどアダルトだ。 こんなのに出てたんだね。」 「そうなんですね。 ショック。」
松沢茜は綾子の同級生だった。 スタイルがいいからってスカウトされたらしい。
でもそれが綾子には不思議だった。 (あの茜がアダルトに出てるなんて、、、。)
夕方近くになって少し涼しい風が吹いてきた。 「そろそろ戻ろうか。」
「そうですねえ。 昨日からずーーーーっと一緒だったし。」 「でも楽しかったよ。」
「そうですか? 私はずっと傍に居たいけど、、、。」 公園の入り口で俺は綾子を見送る。
以前よりもずっと寂しさが込み上げてくる。 部屋が空いたら引っ越させたいな。
そんなことを考えたりもする。 それより何より夜飯を食べたいな。
昼がサンドイッチだけだったから腹が減って堪らないんだ。 部屋に戻るとありったけの肉と野菜を取り出していつものカレーを作り始めた。
と、そこにメールが来た。 「誰だろう?」
「一郎さん 楽しかったです。 ずっと一緒に居たいかも。
明日からまたゼミですね? 頑張りましょうね。』
「綾子か。」 鍋の火を止めてメールを返信する。
『ゼミもいいけど綾子ちゃんと一緒に居たいよ。 こんな可愛い人だとは思わなかった。
機会が有ればまた一緒に飲もうね。 好きだよ。』
送信した後で俺は苦笑してしまった。 「俺らしくないなあ なんか。」
そうだな、好きだなんて面と向かって言ったことも無いのにさあ、、、。 どうしたんだろう 俺?
カレーを作ると山盛りのご飯に豪快にぶっかけて食べ始める。 余程に腹が空いていたらしい。
今夜は店も休ませてもらってる。 「たまにはゆっくりしろよ。」って言われて。
そういえば古本屋には行ってないなあ。 明日辺り行ってみるか。
俺たちが出会った場所なんだもんなあ。 明日にでも行ってみよう。
カレーを平らげると洗濯物を抱えて一階へ。 隅っこの奥に洗濯場が有る。
洗濯機に洗剤もぶち込んでスイッチを押す。 終わるまでは一休み。
おばさんはまだ戻ってきてないらしい。 (食事はどうするんだろう?)
心配にはなったけど代わりのおばちゃんが作っているらしい。
部屋に戻ってくると読みためておいた小説を整理する。 まだ読んでない本もけっこう有るんだな。
綾子が好きそうな本も有る。 「これは綾子ちゃんにあげるか。」
たまに先輩ぶったことを考えてみる。 でもなあ、、、。
翌日も10時ごろに下宿を出てブラブラと散歩しながら古本屋にやってきた。 「やってるやってる。」
中に入ると数人の学生が本を探しているのが見えた。 「今日は何を買おうかな?」
品定めをしていると、、、。 「こんにちはーーーー。」って声が聞こえた。
「綾子ちゃんかい。」 「一郎さんも来てたんですねえ?」
「そうだよ。 しばらく来てなかったから。」 「あの日みたい。」
「そうだなあ。 今日は何を探してるの?」 「今日はよしもとばななでも見ようかと思って、、、。」
「そっか。 俺も要らない本がけっこう有るから良かったらあげるよ。」 「そうなんですか? 嬉しいなあ。」
こうして話しながら本を探している。 やがて気に入った本が見付かった俺たちはレジに立った。
店を出るとひとまず公園へ。 そこでのんびりしてからゼミに向かおうというわけ。
2時からだからなあ。 昼飯を食べてから行っても十分に間に合うぞ。 俺はベンチに座ると本を開いた。
その本にはイニシャルが書いてあった。 sk、、、誰だろうなあ?
綾子は隣に座って大きな欠伸をした。 「おいおい、大丈夫か?」
「隣が賑やかでそんなに寝れなかったんですよ。」 「大変だなあ。」
「一郎さんは?」 「俺もそんなに変わらない。 なんせ高校生が多いから。」
「そうですよねえ。 学校も近いししょうがないとは思うけど、、、。」 綾子は何処か不満層である。
本を読みながらまた欠伸をした。 俺はふと綾子を抱き寄せてみた。
「このまま寝たいなあ。」 「おいおい、それはやばいよ。」
「そうですねえ。 でもなんか今日のゼミは休みたい気分。」 そんな綾子を見ていたら俺にまで欠伸が移っちまった。
「しゃあない。 二人でサボるか。」 「え? いいんですか?」
「こう眠くちゃゼミどころじゃないよ。 俺の部屋で休んでいきな。」 「やったあ。」
「こらこら、そこは喜ぶところじゃないだろう?」 「すいません。」
そんなわけで公園から引き上げて俺たちは下宿に戻ってきた。 おばさんは何やかやと忙しくしているらしい。
さすがは昼間。 うるさい連中は誰も居ない。 静かな部屋で綾子は押し入れに潜り込んだ。
「ドラえもんみたいだなあ。」 「いいんです。 私はドラミちゃんだから。」
「変なの。 そんなに丸くもないのに。」 「あんなに可愛くなれたらいいのになあ。」
「綾子なら十分可愛いと思うけど、、、。」 「そう言ってくれるのは一郎さんだけです。 おやすみなさい。」
縁なんて人間の知恵じゃ分からない。 縁が有りそうに見えて実はとんでもないやつだったりもする。
縁が無さそうに見えて実は最高の人だったりもする。 本当に出会いなんて分からない。
マッチングアプリなんて最近は流行ってるけどだからってそれが100パーセント正しいとは言えない。 凡そのデータから割り出して「まあいいだろう。」って相手を選ばせてるに過ぎない。
星座 血液型 性格 人相 手相、使える物は何でも使って「この人が最高です。」ってやってるだけなんだからさ。
実際に会ってみるまではどんな人間なのかも合うのかどうかも分からない。 縁って恐ろしいよね。
俺だって綾子と初めて会った時には何とも思わなかった。 ただ女の子から声を掛けられたことが衝撃で戸惑っただけ。
それから時々会うようになり、こうして一緒に飲むようにもなった。 やっと友達レベルって感じ。
でもどうなんだろう? 彼女って言ってしまったほうがいいのかな?
他のやつに取られたくないって気持ちも有ると言えば有るんだ。 【俺の物にしたい】っていう思いもね。
そう思うと宣言しといて良かったかな。 綾子もそうだったし。
のんびりと公園のベンチで日向ぼっこをしている。 と下宿のおばさんが歩いてくるのが見えた。
(何をしてるんだろう?) 気にはなるけど呼び止めるのも変だからそのまま見ていると、、、。
おばさんは俺たちには気付かずにバス通りへ行ってしまった。 「びっくりしたなあ。」
「何が?」 「おばさんが公園の前を通って行ったんだよ。」
「おばさん?」 「下宿のあのおばさん。」
「ああ、あの人ですね? なんか不思議そうな眼で見てたけど、、、。」 「どうもさ、風俗嬢でも連れ込んだんじゃないかって思ってるらしいんだ。」
「風俗嬢? 何ですか?」 「知らない? ソープとかピンクとか、、、。」
「ああ、ああ、そんな人たちと一緒にされてたんですか 私? 汚らわしい。」 「前にさあそんなことをやってたやつが居たんだって。 それも有るのかもね。」
綾子は何気にスマホを取り出した。 「そういえば私の高校時代の友達がビデオに出たって言ってたんですよ。 何かは聞いてないんだけど、、、。」
そう言いながらメールを探している。 「有った有った。」
『清楚な奥さんが実は大胆な喘ぎをする。』
「これさあアダルトだよ。」 「え? アダルト?」
「芝居だとか本番だとかいろいろ言われてるけどアダルトだ。 こんなのに出てたんだね。」 「そうなんですね。 ショック。」
松沢茜は綾子の同級生だった。 スタイルがいいからってスカウトされたらしい。
でもそれが綾子には不思議だった。 (あの茜がアダルトに出てるなんて、、、。)
夕方近くになって少し涼しい風が吹いてきた。 「そろそろ戻ろうか。」
「そうですねえ。 昨日からずーーーーっと一緒だったし。」 「でも楽しかったよ。」
「そうですか? 私はずっと傍に居たいけど、、、。」 公園の入り口で俺は綾子を見送る。
以前よりもずっと寂しさが込み上げてくる。 部屋が空いたら引っ越させたいな。
そんなことを考えたりもする。 それより何より夜飯を食べたいな。
昼がサンドイッチだけだったから腹が減って堪らないんだ。 部屋に戻るとありったけの肉と野菜を取り出していつものカレーを作り始めた。
と、そこにメールが来た。 「誰だろう?」
「一郎さん 楽しかったです。 ずっと一緒に居たいかも。
明日からまたゼミですね? 頑張りましょうね。』
「綾子か。」 鍋の火を止めてメールを返信する。
『ゼミもいいけど綾子ちゃんと一緒に居たいよ。 こんな可愛い人だとは思わなかった。
機会が有ればまた一緒に飲もうね。 好きだよ。』
送信した後で俺は苦笑してしまった。 「俺らしくないなあ なんか。」
そうだな、好きだなんて面と向かって言ったことも無いのにさあ、、、。 どうしたんだろう 俺?
カレーを作ると山盛りのご飯に豪快にぶっかけて食べ始める。 余程に腹が空いていたらしい。
今夜は店も休ませてもらってる。 「たまにはゆっくりしろよ。」って言われて。
そういえば古本屋には行ってないなあ。 明日辺り行ってみるか。
俺たちが出会った場所なんだもんなあ。 明日にでも行ってみよう。
カレーを平らげると洗濯物を抱えて一階へ。 隅っこの奥に洗濯場が有る。
洗濯機に洗剤もぶち込んでスイッチを押す。 終わるまでは一休み。
おばさんはまだ戻ってきてないらしい。 (食事はどうするんだろう?)
心配にはなったけど代わりのおばちゃんが作っているらしい。
部屋に戻ってくると読みためておいた小説を整理する。 まだ読んでない本もけっこう有るんだな。
綾子が好きそうな本も有る。 「これは綾子ちゃんにあげるか。」
たまに先輩ぶったことを考えてみる。 でもなあ、、、。
翌日も10時ごろに下宿を出てブラブラと散歩しながら古本屋にやってきた。 「やってるやってる。」
中に入ると数人の学生が本を探しているのが見えた。 「今日は何を買おうかな?」
品定めをしていると、、、。 「こんにちはーーーー。」って声が聞こえた。
「綾子ちゃんかい。」 「一郎さんも来てたんですねえ?」
「そうだよ。 しばらく来てなかったから。」 「あの日みたい。」
「そうだなあ。 今日は何を探してるの?」 「今日はよしもとばななでも見ようかと思って、、、。」
「そっか。 俺も要らない本がけっこう有るから良かったらあげるよ。」 「そうなんですか? 嬉しいなあ。」
こうして話しながら本を探している。 やがて気に入った本が見付かった俺たちはレジに立った。
店を出るとひとまず公園へ。 そこでのんびりしてからゼミに向かおうというわけ。
2時からだからなあ。 昼飯を食べてから行っても十分に間に合うぞ。 俺はベンチに座ると本を開いた。
その本にはイニシャルが書いてあった。 sk、、、誰だろうなあ?
綾子は隣に座って大きな欠伸をした。 「おいおい、大丈夫か?」
「隣が賑やかでそんなに寝れなかったんですよ。」 「大変だなあ。」
「一郎さんは?」 「俺もそんなに変わらない。 なんせ高校生が多いから。」
「そうですよねえ。 学校も近いししょうがないとは思うけど、、、。」 綾子は何処か不満層である。
本を読みながらまた欠伸をした。 俺はふと綾子を抱き寄せてみた。
「このまま寝たいなあ。」 「おいおい、それはやばいよ。」
「そうですねえ。 でもなんか今日のゼミは休みたい気分。」 そんな綾子を見ていたら俺にまで欠伸が移っちまった。
「しゃあない。 二人でサボるか。」 「え? いいんですか?」
「こう眠くちゃゼミどころじゃないよ。 俺の部屋で休んでいきな。」 「やったあ。」
「こらこら、そこは喜ぶところじゃないだろう?」 「すいません。」
そんなわけで公園から引き上げて俺たちは下宿に戻ってきた。 おばさんは何やかやと忙しくしているらしい。
さすがは昼間。 うるさい連中は誰も居ない。 静かな部屋で綾子は押し入れに潜り込んだ。
「ドラえもんみたいだなあ。」 「いいんです。 私はドラミちゃんだから。」
「変なの。 そんなに丸くもないのに。」 「あんなに可愛くなれたらいいのになあ。」
「綾子なら十分可愛いと思うけど、、、。」 「そう言ってくれるのは一郎さんだけです。 おやすみなさい。」