環くんは、フォーク化現象に悩まされている

なんで、こうなっちゃったんだろう。

昨日のお昼休みは、私の隣で環くんがお昼寝をしていた。

私の手をほっぺに当てながら、言ってくれた。

『俺のこと、絶対に嫌いにならないでね』って。


幸せだったなぁ。

魔法使いが現れて、時間を巻き戻してくれればいいのに。


フフフ、なんて無意味な夢を見ちゃっているんだか。


環くんの好きな人は、仁科(にしな)さん。

いくら時間を戻しても、私の恋が報われることなんてないのにね。


いろんな感情が交錯する。

悪あがきで段ボールをボコボコ蹴りたい気持ちと、環くんのためにじっとしていなきゃと思う気持ち。


人の声が全くしないところで暴れても、助けなんか来ないか。

委員長の怒りが炎上しちゃうだけだし。

今はじっとしていよう。


バクバクを少しでも落ち着かせたくて、現実逃避で目をつぶった瞬間


「クッソ! エレベーターはまだ上がってこないのか!」


箱の外から、委員長のイライラ声が届いた。

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