環くんは、フォーク化現象に悩まされている


いつものお昼休みは、カウンターの中で環くんがお昼寝をしているだけ。

私がしてあげることと言えば、環くんの隣に座りながら頭を撫でてあげる程度。


『チョコちゃん頭なでて。チョコちゃんの手がないと、ハッピーな夢の世界にたどり着かないから』

小動物系のうるるんお目目でおねだりされちゃうから、毎回断れない。

ただ……


『環君が寝る』+『私が頭ナデナデ』=『環くん推しの皆様が大喜び』

そんな構図が出来上がっていて。

期待に応えるために恥ずかしさと戦ってきたこともあり、人前でサラサラなキラ髪を撫でるのに慣れてきたところ。


とはいえ今日は、おねだりレベルが跳ね上がりすぎでは?

環くんなんて、強引すぎて別人に見えちゃう。

王子特有の可愛さを押しのけて、ワイルドさが前面に押し出されていますが……なぜ?

甘ったるすぎる空気に溶け込む毒っぽさに、私のハートが適応できていないのが現状。


そしてですね。

私の視界にはいる景色も、ちょっとだけ怖くてですね……
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