環くんは、フォーク化現象に悩まされている

「環くん」


「……んー」


「なくなっちゃうよ。お弁当を食べる時間」


「もうちょっと寝かせて~」


むにゃむにゃ言いながらも、目はきつく閉じたままかぁ。

お手上げだなぁ。

椅子に座ったまま、天井に向け溜息をもらす。

その時


「いつもは千夜湖ちゃんのお弁当をちらつかせれば、サクッと起きてくれるのにね」


伏見委員長が、フフフと笑いながらカウンターの中に入って来た。


「僕の手を環くんのほっぺに当てたら、千夜湖ちゃんの手と間違えてスリスリしてくれるのかな?」


そのまま私の隣へ。


「ちょっと、やってみちゃおっか?」


イタズラっ子みたいに、ニヒヒと微笑まれてしまい


「えっと……」


私は答えに詰まってしまう。


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