環くんは、フォーク化現象に悩まされている

今日の環くんは、目の下のクマが濃い。

お疲れなのかな、とも思いますし……


「寝かせてあげてもいいですか? もう少しだけ」


「カウンター前に座る僕の隣で良ければ、喜んで。スヤスヤ王子の寝顔は、ヒーリング効果大だからね、僕も癒されるよ」


伏見委員長は心が広いなぁ。

環くんはこのまま寝ていてもらって、私は本の整頓でもしてこようかな?

うん、そうしよう!と、立ち上がるつもりだったのに……


「た~ま~き~!」


カウンターの向こうから、悪意のこもった低い声が。


「あ~ん~た~ねぇ~」


目を丸くする私。

サラサラなポニーテールを振り乱し、制服姿の女子が、一直線でこっちに駆けてくるではありませんか。

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