環くんは、フォーク化現象に悩まされている
泣いてるだけじゃダメだ。
いつこの図書室に、環くんたちがやってくるかわからない。
誘拐されたくない。
海外に売り飛ばされたくない。
だから……
私は涙を袖でぬぐう。
まだ潤んでぼやけている視界のまま、委員長の顔を見上げた。
「委員長……スマホ……持っていますか?」
「スマホかぁ。今はないなぁ。教室のロッカーに入れっぱなしなんだ」
「……そうですか」
お父さんに助けを求めるための、別の連絡方法を考えないと。
図書室から出て、生徒一人一人に声をかければ、スマホを持っている人を見つけられると思う。
……でも。
目立ち過ぎちゃうよね?
環くんたちに見つかっちゃう確率も上がるし。
図書室の鍵のかかる小部屋に隠れるのが、一番安全かもしれないな。