環くんは、フォーク化現象に悩まされている
狭いこの部屋。
電話がない。どこにもない。
その時
「ほんと、キミっておいしそう~」
背後から、ネバっこいダミ声が聞こえてきた。
「海外に売り飛ばすなんて、もったいないよなぁ~。市護千夜湖は、極上に甘い最高級のケーキだって、闇フォーク界では有名なんだよ。お金があれば、僕だけのものにするのに」
この部屋にいるのは、私と伏見委員長だけ。
もしや……
心臓が恐怖で凍りつく中、恐る恐る振り向く。
目の前には、怖いくらいニヤついた委員長が立っていて
「つ~か~ま~え~た~」
私の両手首が、委員長に捕らえられてしまった。
「ねぇ、一口食べてもいい?」
強い力で壁に押し当てられている、私の背中。
前には、舌なめずりをする委員長。
気持ち悪い。
身動きが取れない。
掴まれた手首にかかる握力が強い。
……絶対に逃げられない。