【完結】魔法学院の華麗なるミスプリンス 〜婚約解消された次は、身代わりですか? はい、謹んでお受けいたします〜


 施術を行う日までの残りの日数を指折り数えながら歩いていると、視線の先に。校舎と校舎を繋ぐ開放廊下で、女子生徒の一人とセナが話をしていた。

 盗み見るつもりはなかったが、女子生徒が手紙を送っている場面をたまたま目撃してしまう。赤らんだ彼女の表情と、ハートの封蝋が刻まれているのを見て、告白の現場なのだと理解した。手紙を渡した生徒は、嬉しそうに去って行った。

(セナは……令嬢に人気があるんだ)

 セナはオリアーナと違って愛想がいい訳ではないが、端正な顔立ちをしているし、能力にも恵まれている。それに、冷たく見えて実は面倒見がよくて優しい。女子生徒たちは、そんな掴みどころのないセナに憧れていた。

(分かるよ。セナはすごく素敵だもんね。好きになるよね)

 今まではあまり気にしていなかったが、彼への恋心を自覚した今なら、セナのファンに共感できる。うんうんと頷いていると、セナがオリアーナに気づいた。
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