もう隠していられませんっ!



誰も,言わなかったけど。



「みなちんに相談したら,ばくしょうされた」



ぷくっと頬を膨らませる。



「あぁ,相原か。それで言わなきゃって,ずっと考えてたの?」

「うん……ごめんね」



クツクツとした笑い声は大きくなり,七月くんは私の頭を撫でた。

その動きは多分,またも無意識。



「かわいすぎだろ流石に。大丈夫だよ,りん。俺もりんの匂い世界一好きだから」



七月くんがすりっとおでこを寄せてくる。

綺麗な顔のアップ。

とろけるような瞳の上目遣い。



「……ねぇやばい。キスしてもいい?」



その近さがそうさせたのか,初めてのキスの許可を求められる。

揺れる瞳に,返事を待たず。

掬い上げるように七月くんはキスをした。

返事なんて分かってる七月くんは,背中を丸め離れた私を見てふっと笑う。

口元を押さえ,上目でその笑顔を確認。
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