お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 ウェーゼルク辺境伯家の闇を見たような気がした。たしかに、エリサは暗部の所属であり、こういったことも今まで何度も行ってきたのだろう。オリヴィアには思いもつかない方法だった。

 自分がどれだけ守られてきたのか、嫌でも痛感させられる。

(私……なにも知らなかったわね)

 魔獣を相手にし、闇にもある程度通じていると思っていたのに。それは、思い上がりにしかすぎなかったようだ。

「……よく思いつくな」

「ロマンス小説の悪女にそういう女は多いですよ? 自分の周囲に見目麗しい男を侍らせて言うこときかせていい気になるんです」

 けろりとしてエリサは言い放った。

 エリサがロマンス小説の読者だとは知らなかった。

 いや、ダンメルス侯爵には見えない様にこちらににやりとしているところを見ると、ロマンス小説の愛読者ではなさそうだ。間諜としての実体験というところか。

「恋人が他の男に色目を使っているところを見れば、陛下の気も変わるかもしれん。やるだけやってみよう」

「……私が、陛下のお心を掴んでいればよかったのでしょうけれど」

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