お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 しかし、エリサが鳩を飼っているのはまったく気づいていなかった。侍女達がどこまで先回りしているのかと思うと怖いぐらいだ。

「騒がせて悪かったな」

「いいえ、陛下。」

「王妃様のお立場を考えたら、疑われてもしかたありませんわ。ねえ、陛下」

 ああ、ちくりと棘を感じた。だからだ。ケイトは今までの愛人とは違うと思いながらも、心の底では信頼できないと思ったのは。

 騒がせた詫びを口にしただけ、グレゴールは成長したのだろう。オリヴィアとはかかわり合いがないけれど。

 グレゴールとケイトが出ていくと、オリヴィアはぐったりとソファに身を沈めた。仕事をしなければならないのに、今日は朝から疲れてしまった。

「エリサ、助かったわ」

「いえ。他にも三羽の鳩を飼っているんです。まさか、こんな使い方をするとは思いませんでしたけど!」

「……そうね」

 グレゴールがずっとこの離宮を監視しているかどうかは知らないが、たまたま気づいたという可能性が高そうだ。

(次は、返事を持たせなければだめかもしれないわね)

 ルークの鳩がまた来るようなことがあったなら――それ以上は、考えることを放棄した。
< 169 / 306 >

この作品をシェア

pagetop