お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 けれど、任務で戦地に赴いたのなら、きちんと神殿で治療を受けられるはず。特に、今は、ケイトが聖女として力を振るっているのだから。

 ダミオンと顔を合わせるなり、オリヴィアは口を開いた。

「……なにかあったの?」

 単刀直入なオリヴィアの言葉に、ダミオンは大きくうなずいた。

「怪我の治療をしていない人がずいぶん増えたって話ですよね」

「ええ。ケイト様が神殿にいるのだから、ケイト様が治療しているのではないの?」

「――それが、ケイト様が治療をするのは、ごく一部の人間だけ。十分な寄付金を払える者に限られているんです」

「嘘でしょう?」

「残念ながら、事実です」

 ダミオンの言葉に、オリヴィアは声を失った。たしかにグレゴールは、ケイトの治療は限られた者しか受けることができないと言っていた気がするけれど

「神殿には、他に回復魔術を使える神官はいたわよね?」

 王の遠征で怪我をしたのだから、回復魔術は無料、もしくはお気持ち程度の料金で受けられたはず。だが、それにもまたダミオンは首を横に振った。

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