お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「ケイト様に倣って、神官達も寄付金を納められない者の治療は引き受けていないようです」

「――なんてこと」

 清廉潔白に見せておいて、そんなことをしていたとは。

 ケイトに感じていたわずかな好意は、すっかり消え失せてしまった。あの時覚えた不信感は、間違いではなかったようだ。

「ダミオン。回復魔術の使える者は、どのぐらい集められる?」

「ご希望であれば何人でも。傭兵の中にも、回復魔術の使える者はいますからね。ただ――」

 右手の親指と人差し指でマルを作る。先立つものは必要だと言いたいらしい。

「そうね。あなたに預けてある私の個人財産で、雇える限り最高の人材を――あとは、どうやってこっそり治療するかだけど」

「商品を購入してもらった人だけこっそり治療するというのはどうですか? うちの商会が営むパン屋があるのご存じでしょう? パンなら皆買いますからね」

「大々的にやって、目をつけられないようにね」

「もちろん、そこは心得ておりますとも」

 こういうことは、専門家に任せた方がいい。ダミオンができるというのなら、彼に任せてしまおう。

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