お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 鳩の背に指を滑らせる。そうしても鳩は嫌がる気配など見せなかった。ため息をつきながら、もう一度指を滑らせる。

「この離宮は見張られているみたいでね。あなたが出入りしているのに誰か気づいたみたいなの。エリサが鳩を飼ってくれていたおかげで、なんとか言い逃れはできたけれど」

 ルークになんて言えばいいのだろう。彼の鳩にはずいぶんと救われた。今だって、こうして鳩を撫でているだけで、ささくれだった心が落ち着きを取り戻しているみたいなのに。

「あなたが危ないから、もう来ない方がいいわ」

「ポポポッ! ポッ!」

 食べるのをやめた鳩が翼をバタバタとさせる。やはり、オリヴィアの言葉を理解しているみたいな振る舞いだ。

 使い魔になるぐらいなのだから、きっと鳩としてはとても賢いのだろう。

「明日は、一日ここでゆっくり休んでちょうだい。あなたは夜目が効くみたいだから、夜出て行った方が安心ね」

 まずないとは思うが、グレゴールの手の者が、鳩を攻撃することがないとは言えない。

 もしかしたら、エリサの飼っている怪我をした鳩も、そうやって攻撃されたものだという可能性は否定できない。

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