聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜





 その夜。
 宮殿敷地内の人気のない神殿で、数人の男たちが集まっていた。彼らは主のために密かに活動している。

「新たな聖母たちの様子はどうだ」
「晴湖の方はいつも周りに人がいるから交渉は無理そうだ」

「やはり利用するなら孤立しているシェリナだな」
「そうだな」

「あいつらは聖母などではない。王子たちを撹乱(かくらん)するための偽物だ」
「知りもせずに王族たちは慌て、本人たちは聖母候補だとうぬぼれて。愚かなことだ」

「偽物とともに本命候補にも退場して頂こう。我らのためになる王を立てるために」
「ファリエルタもエサに食いついてきた」
「順調だな」

「女はバカだからな」
「女にご執心の王子もバカだがな」
 男たちはひそやかに笑い合った。

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