聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「……あなたは人を殺した?」
「急になんだ」
 アルウィードは苦い顔をした。

「私が連れてこられた夜、あちらで三人が殺されたの。私を襲ってきた人も三人だった」
「……」
「それで刑事さんがうちにきたの」

「あのときのあいつらか。そもそもあちらにそいつらを送ったのが誰なのか。こちらに戻れる保証もないのに行くか?」
 アルウィードはつぶやき、思考にふける。三千花の視線に気が付き、彼は再び口を開く。

「死体はどうなった?」
「知らない。刑事さんなら知ってるかも」
 アルウィードが手をふると、蓮月の猿ぐつわが消えた。

「おい、襲撃者の死体はどこへやった?」
「なんのことだ」
「そっちで死んでいたという三人の死体だ」
「お前は何か知っているのか」
 蓮月は答えず、聞き返す。

「質問しているのはこちらだ。答えろ」
 アルウィードは蓮月の襟元を掴む。

「乱暴はやめて!」
 三千花が言うと、アルウィードは手を離した。

「ここはどこなんだ。お前はいったい誰なんだ」
 蓮月が問う。
「やっぱりうるさい」
 アルウィードは手を振って再度彼に猿ぐつわをかませた。
「明日までおとなしくしておけ」
 アルウィードはそう言って兵士を呼んだ。


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