聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「結婚してあげてもいいよ」
晴湖は予想外の言葉に目をみはる。
「どうしたの、急に」
「僕に、外国の人との縁談が来てる。僕にだけ」
リーンウィックは晴湖を見ずに言う。
「父も母もその縁談を進めようとしている。結婚したらその国に行かないといけない。僕は魔力が少なくていらないから、外国に出されるんだ」
「そんな……」
そんなことはない、と言おうとして晴湖はやめた。彼女は仕事でいろんな人を見てきたし、彼の両親のことを知らない。
「エルンレッドは国に残れるようにしているのに、兄弟の中で僕だけ」
「さみしいのね」
晴湖が言うと、リーンウィックは否定も肯定もしなかった。
「聖母と結婚したらこの国に残れるの?」
「多分」
だから彼は三千花との――聖母との結婚を望んだのか。
晴湖は思わずリーンウィックを抱きしめた。
親に否定された、必要とされなかった、と感じてしまった苦しみは少しはわかるつもりだ。真実がどうであれ、その思いを抱えてしまったら苦しくて切なくなる。
「何するんだよ!」
リーンウィックが抗議の声を上げる。
「泣いてもいいのよ」
「泣かないよ!」
リーンウィックは晴湖を振りほどいて走り去る。
晴湖は悲しげに目を細めてそれを見送った。
晴湖は予想外の言葉に目をみはる。
「どうしたの、急に」
「僕に、外国の人との縁談が来てる。僕にだけ」
リーンウィックは晴湖を見ずに言う。
「父も母もその縁談を進めようとしている。結婚したらその国に行かないといけない。僕は魔力が少なくていらないから、外国に出されるんだ」
「そんな……」
そんなことはない、と言おうとして晴湖はやめた。彼女は仕事でいろんな人を見てきたし、彼の両親のことを知らない。
「エルンレッドは国に残れるようにしているのに、兄弟の中で僕だけ」
「さみしいのね」
晴湖が言うと、リーンウィックは否定も肯定もしなかった。
「聖母と結婚したらこの国に残れるの?」
「多分」
だから彼は三千花との――聖母との結婚を望んだのか。
晴湖は思わずリーンウィックを抱きしめた。
親に否定された、必要とされなかった、と感じてしまった苦しみは少しはわかるつもりだ。真実がどうであれ、その思いを抱えてしまったら苦しくて切なくなる。
「何するんだよ!」
リーンウィックが抗議の声を上げる。
「泣いてもいいのよ」
「泣かないよ!」
リーンウィックは晴湖を振りほどいて走り去る。
晴湖は悲しげに目を細めてそれを見送った。