聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
協議により、事前連絡はなしで訪問することとなった。
三千花だけならともかく、第一王子が一緒ともなれば向こうも無下にはできない。
三千花は蓮月の同行を了承させた。
「なんで俺まで」
「刑事だから。拳銃、持ってるでしょ?」
「持ってない」
「なんで!?」
「刑事の普段の仕事には必要ないからだ」
「おまわりさんは持ってるのに!?」
「彼らは犯罪抑止の目的もあって持ってるんだ」
「そんな……」
「銃が目的かよ」
蓮月のうんざりした様子に、三千花は慌てる。
「知ってる人がいると、それだけで心強いんです!」
「はいはい。俺なんか役に立たないと思うけどね」
やけになっている蓮月に、三千花は居心地悪くそわそわした。
すでに日は沈んでいる。
訪問にふさわしい時間ではない。
だが、だからこそゆさぶりをかけるにはふさわしくもあった。
三千花はドレスに着替えるように言われたが動きにくいからと拒否した。
車でいく提案は許可された。
見慣れない乗り物は、それもゆさぶりになると判断された。
三千花、蓮月、レオルークが庭におかれた車で待っていると、一人の兵士がダウナルドに連れられてきた。40前後に見えた。鍛えられた体に引き締まった顔つきをしている。