聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜


 * * *


 三千花は迷った。アルウィードも心配だが、蓮月も心配だ。さらにレオルークがどのように行動するのか。

 困ったら俺の手をとれ。
 アルウィードの言葉が頭をよぎる。

 彼の手を。

 三千花が駆け寄ろうとすると、見えない力に上から押されて、倒される。
 顔を上げると、レオルークが血まみれの指をこちらに向けていた。

「へえ、死ぬのかな」
 レオルークは魔法を使って剣を抜いた。血が大量にふきでる。

「私、こういう最期かあ」
 興味深そうにロレッティアを見る。

「道連れにされて。へええ」
 がくり、と膝をつく。その顔は楽しそうだった。

 三千花は歯を食いしばって、前に進もうとする。

「そうだ、君、粉塵(ふんじん)爆発が見たいって言ってたよね」
 言って、レオルークは血を吐いた。

「粉塵じゃなくて悪いけどさ、爆発を見せてあげるよ」
 レオルークは魔石でできた彫像を魔法で砕いた。
 小石になって、空中を舞う。

「粉塵のかわりにこれを使うね。魔石はこういう使い方もできるんだよ。魔力の強い人にしかできないし、魔石の純度も大切なんだけどさ」

 三千花を押さえる力がふいに消えた。

 彼女は立ち上がる。が、直後にまた押さえつけられる。

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