聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
 護衛と言うからリグロットは四六時中くっついてまわるのかと思ったら、そうでもなかった。護衛のとりまとめ的な仕事をするのかな、と三千花はぼんやり想像した。

 部屋の入口は兵士が常に一人いる。が、三千花の監視のためなら一人で充分だろうな、とも予測できた。

 昼前にまた着替えをさせられた。着替えるのが常識だと言われて、逆らえなかった。逆らう必要もなかったし、暇だし。

 着替えたら居間で昼食だった。
 たくさんの皿を運んでくる使用人が気の毒になり、
「お疲れ様です」
 と声をかけた。

 その場にいた全員がビクッとして動きを止めた。
 え、何か変なこと言った?

 三千花がうろたえると、声をかけられた使用人がガバっと平伏した。三千花にはそれが土下座にしか見えない。

「な、何?」
「申し訳ございません、何かお気に召さないことをしましたでしょうか」
「え? いえ、違います」
 なんでそうなるの、と思いながら答える。

「大変そうだなー、と思って……」
 使用人たちが顔を見合わせる。

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