龍騎士殿下の恋人役〜その甘さ、本当に必要ですか?

「アリシアさん、その話は本当ですの?」
「あたくしたちでも竜騎士に合っているのですか?」

マリナさんとカリンさんがあたしのもとに駆け寄り、そう問いかけてきた。

すがるような眼差しに、少しでも希望を見出したい彼女達の気持ちが込められている。
そりゃあそうか。
正直言えば2人ともリリアナさんほどすじは良くない。
でも、最近はリリアナさんがいなくても自分たちで居残り練習をしてる。その日の課題をなるべくその日に克服するように。

そんな彼女たちだから、あたしは太鼓判を押したくなる。

「もちろん。あたしはもっと女性が竜騎士になるべきだと思ってるくらいだから。武器はショートボウや投げる武器をメインにすれば。大切なのはドラゴンとの信頼関係。竜騎士は筋肉量は関係ない。性別関係なく活躍できる数少ない武術職だと思うよ」

あたしがそう話せば、マリナさんもカリンさんも手を合わせて喜んだ。

「そうなんですね!わたくしたちも竜騎士に合っているんですわね」
「ならば、もっと頑張らねばなりませんわね。殿方に負けてはいられませんわ」

なぜか2人の闘志に火を点けてしまったらしく、メラメラ炎が燃え上がってる…ように見える。

でも、実際騎竜で女性が有利なのは本当。体重の軽さ、柔軟性、バランス感覚、鋭敏な感覚。あたしの経験から言えば、女性の方が優れる。

その後の飛竜訓練でも、女性陣の方がマスターするのが早かった。
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