この恋の化学反応式
「ただいま」

私は少し緊張しながら家の扉を開けた。

これから私はお母さんに模試のこと。そして志望学部を変えることを伝えなければならない。

「あらおかえり、真理。模試お疲れ様」

「あのさ、お母さん。私、模試の結果少し悪くて、、、それで自分について考えて目標ができたの。私、教育学部に行きたい」

私の言葉を聞いたお母さんは、少しの間驚いたように黙っていた。

怒られるかなと思ったその時、

「あら、そうなのね。でも教育学部も真理に合いそうね」

私はお母さんのその言葉にびっくりした。

「え、いいの?」

思わずそう聞き返す。

「いいも何も、そんなの自分で決めることじゃない。真理が自分でやりたいこと言い出したのが初めてだったから、お母さん少しびっくりしただけよ」

お母さんは嬉しそうに笑った。

私は色々なことを難しく考えすぎていたのかもしれない。
思い返せば、自分の希望や要望をきちんと誰かにに伝えたことすらなかった。

私は部屋に戻って橘先生のことを思い出していた。最初は苦手だった先生。でも私に大切なことを教えてくれて、、目標を持たせてくれた。

私はこの感謝を結果で返したい。

気づけば私の心は先生でいっぱいになっていた。
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