光が消えていってしまう君へ

幼馴染

「ねぇ、しづ。」

「ん?どうしたの?」

「これからもいっしょにいようね!」


私でも何でいきなりこんなことを言い出したのかわからない。

でも...


「うん!もちろんだよ。」


って答えてくれてうれしかった。

これからもずっと一緒にいるんだと思ってた。

でも、小学四年生の二学期に紫都は引っ越した。

親の用事だから仕方がないけど、まだ小学三年生だった私は悲しくて泣いた。

そのまま私たちは一度も会えていない。

一緒にはいられなかった。



「ん~。懐かしい夢見たな~。」


私は今小学六年生で、あの時からは三年たっている。

つまり、紫都は中学一年生だ。


「ねっむ...ん?今日学校だ!やばいって。」



今、私は京都の小学校に通っている。

関西弁じゃないのは、両親が東京育ちだから。

紫都は東京に引っ越した。

だから、ひょいって会いに行くわけにもいかなくて...


「お母さん、おはよう!」

「おはよう。紗和。遅刻しそうね~。」


母親はこの通り。

めちゃくちゃおっとりしている。


「紗和。早くしないと遅刻するぞ!」


お父さんは結構せっかちで、ちょうど釣り合いが取れている。


「分かってる!」

「紗和!早く行くぞ!」


そして私には二歳年上のお兄ちゃんがいる。

お兄ちゃんはしっかりとした性格で、いっつも助けてもらってる。

でも、微妙にシスコン気味。

今通ってる学校は小中一貫校だから、一緒に登校している。

私たちはお父さんの仕事の都合で、来年引っ越すことになっている。

紫都に会えるかな...
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