光が消えていってしまう君へ

一宮藍斗

すこし、いろいろあって紗和さんとしゃべる機会があった。

初めての印象は綺麗な子だなってことと、紫都の幼馴染で、拒絶された可哀想な子。

そのあと喋っていくうちにとても強い子だということに気付いた。

なぁ、紫都。

何でこんなにいい子を拒絶してるんだ。

お前のことを知ったくらいで嫌いになるほどの関係なのか?

信用してるんだったら本当のことを言えばいいのに。

それとも、頭が回っていないのか。

こんなにいい子だったら、とられても文句は言えないぞ。

紗和さんのことを好きになるのは、お前だけじゃない。

そんなに簡単じゃない。

拒絶なんかしたら、もっと確率が低くなる。

見えなくなるなら見えなくなる前にたくさん見とけばいいのに。

大事な人に本当のことを言えないまま終わるのはお前が想像してるよりも、辛いんだよ。

紫都にそれを味わってほしくはないけど、このままだとそうなる。

お前は覚悟して言わなきゃいけない。




本当のことを。

手伝いは、するよ。
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