光が消えていってしまう君へ

真実 紫都side

ごめんな。紗和。

興味ないなんて言って。

本当はそんなことかけらも思ってない。

でも、病気持ちの俺と一緒にいても悲しいだけだから。

俺だって、できるなら一緒にいたい。

ただ、紗和と仲良くしたら見えなくなった後に耐えられない...

こんな自分勝手な俺のことなんか忘れた方がいい。


「うっ」


頭痛が...


「紫都っ。」


俺が倒れそうになったことを察して、藍斗が駆け寄ってきた。

そのまま、俺の意識は暗転した。


あぁ、嫌われるだろうな。



あぁ、忘れようとしていたのに。




なにも、忘れることなんてできていなかったんだ。
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