内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
ふたりは先輩後輩なわけだから私は一向に構わないのだけれど、お昼の社員食堂での龍一さんの様子を見る限り、ちょっと心配だ。
「あの、もしかしたら付き添わない方がいいかもしれないです」
「ん? なんでだ?」
「上司である課長に失礼なことを言ってすみません。でも、他の男性とふたりでいると怒られるんです……。お昼も、社食で親しい同期と一緒にいただけで機嫌を損ねられてしまったので、学習能力がないのかと思われないか不安で……」
脱いでいたスーツのジャケットに袖を通していた石狩課長が、動作を止めて目をぱちくりさせる。私、変なことを言ってしまっただろうか。
遠慮がちに課長の表情を窺っていると、彼は唐突にクスクス笑い出した。
「わかったわかった。そこまで盛大に惚気られたら遠慮するしかねぇな」
「え? の、惚気……?」
今の話のどこが惚気だったの?
「しっかし、降矢も可愛いとこあるじゃねえか。引き留めて悪かったな。早く嫉妬深い婚約者のもとへ行って、安心させてやれ」
課長が手をひらひらさせて、私を追い払うようなしぐさをする。