内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

 そう言われてみれば、彼は夢望の開発者を知っていると言っていた。まさか本人だとは思いもよらず驚いたけれど、それ以上に胸にこみ上げる感動があった。

 私がSparcilに入社するきっかけを作ったのは、龍一さんだったのだ。

 お礼を伝えるべき相手は、すぐ隣にいた。

 石狩課長は龍一さん本人にも、私が姉妹商品を作ろうとしている話をしたらしい。その時の彼は、とても嬉しそうだったそう。

 まだ企画が通ったわけではないので私からは直接伝えていないが、会議がうまくいった暁には、一緒に喜びたいなと今から楽しみにしている。

 本当は龍一さん自身、夢望に代わる新しい商品を生み出したかったかもしれないけれど、次期社長という忙しい立場上それは難しい。だからこそ、私たち社員がいるのだ。

 龍一さんが思い描くビジョンを汲み、きっと形にしてみせる。

 その一心で、今日までのおよそ三週間、トライアンドエラーを繰り返しながら企画書を何度も練り直した。

 そうして、部屋を暗くした時にだけ流れ星の柄が光る夜光鉛筆『夢叶』が生まれた。

 夢望のコンセプトを引き継いでいるだけでなく、会社全体で推し進めている環境に配慮した商品のひとつでもある。

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