内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「ちなみに、さっきの研修で親しそうにしていた彼とはどういう関係だ?」
「親しそうって……霜村くんですか? 同期の仲間です」
「それ以上はなにも?」
「はい。あの、これってなんのお話なんですか?」
専務が私と霜村くんの関係を知って、なんの得があるというのだろう。社内恋愛が禁止という規則はなかったはずだから、咎められているわけでもないはず。
専務の答えを待っている間に、吸い物とお造りが運ばれてくる。楽しみにしていた瀬戸内の魚介だが、今は彼の話を聞くのが先決だ。
「羽澄……真智さんといったな」
母の話を聞いてくれた時の穏やかな彼とは違う、獲物を狩るように鋭い目をした専務が私を射貫く。
改まったように名前を呼ばれたのにも驚き、心臓が飛び跳ねた。
「は、はい」
「単刀直入に言う。俺と結婚してくれないか?」
予想もしなかった発言に、ぽかんと口が開く。
専務が私と結婚……? なんの目的で?
結婚相手に選ばれる要素なんて、性別が女であることくらいしか思い当たらない。