内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「率直に言って、俺はきみを気に入っている。食事の好みも合いそうだし、仕事と勉強が趣味だと言い切るきみとなら同居しても気詰まりにならないだろう。むしろお互いを高め合える、いいパートナーになれると思うんだ」
ダメ押しのように、専務が畳みかける。
食事の好みといったって、お互い茄子が好きだというくらいの認識しかないのに、それで結婚だなんて話が飛躍しすぎだ。
仕事が好きだという気持ちに関しても、次期社長である専務と私とでは、質も内容もまったく違うのでは?
「あ、あの、あまりにも突然のお話過ぎて、なんとお答えすればいいのか」
「迷いもあるだろうが、できるだけ早く決断してほしい。俺は来年の四月からシンガポール支社に三年間赴任するんだが、婚約と同居だけその前に済ませて、結婚の意思があることを両親に示しておきたい。とはいえシンガポールへはひとりで行くし、帰国して社長就任さえ決定してしまえば、その後で婚約を解消しても構わない」
つまり、彼と一緒に生活するのは来年四月までの半年間。入籍するわけではないから、やっぱり別れたいとなっても、戸籍にバツはつかない。
だからといって偽装結婚前提で好きでもない人と婚約するのは良心が咎めるけれど……。