初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
 ジルベルト義兄が? そこまで強くないと自分の身が守れない? どう言う事?

「え、それはちょっと……」

「アンドリュー、おまえはオフィーリアの弟なんだぞ。フローリアや僕がバッグに付いていると思われる。はっきり言う! 令嬢達のアタックは凄そうだ。早く婚約者を作った方がいい。しかしその婚約者を守れる様な男じゃ無いと捨てられるぞ? おまえは頭がいいからわかるだろう?」

 令嬢達から嫌がらせをされるかもしれないから守ってやれ。って事か。ジルベルト義兄の様に決闘もあるって事か……無理。


「暫くは僕たちと一緒にランチを摂ろう。次の年からはAクラスになるだろうから、問題はないだろう。これはテスト範囲を纏めたやつだからアンドリューにやるよ。オフィーリアもこれでAクラスになったんだからアンドリューなら目を通すだけで良いだろう」

「意外と面倒見がいいんですね」
 
 ルシアン様が纏めたノートは、皆喉から手を出して欲しがりそうな丸秘ノートだった。


「そりゃジルベルトとオフィーリアの弟だからな。あまり心配もしてないんだが、変な令嬢には引っかかって欲しくない」

「今更ですが姉がお世話になっています。僕は僕ですなんとかしますよ」

 ノートはお言葉に甘えて有り難く頂戴する。

「そうか? でもたまにはランチを一緒にしよう。学園生活を過ごせるのは僕たちが卒業するまでだからな。オフィーリアもフローリアも喜ぶ」


 たまになら良いですよ。と答えた。あまり口出しされたくも無いし、姉様とジルベルト義兄のいちゃいちゃしているところを学園でも見ると思うと疲れる。


 その後無事入学して成績は学年で三位だった……一位だと色々言われそうだし、ちょっと手を抜いた。

(ルシアン様から譲り受けたノートはヤバイ! あれを見るだけで一位になれる)


「リュー! 凄いね!」

 姉様が抱きついてきた。

「おい! 離れろ! 学園だぞ」

 べりっと剥がしてジルベルト義兄にパスした。

「なんでよ! 良いじゃないの。家族なんだし」

 目立つんだよ、姉様達は! いかん。このままでは遠巻きにされてぼっちコースだ。

「良いじゃないか。オフィーリアがこんなに喜んでいるんだぞ」

 嬉しそうに姉様を抱きながらそんなことを言っても、説得力がない。

「アンドリュー、手を抜いたな?」

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