旦那様は仏様 ~もっとイチャイチャしたいんです~
「私は美咲さんと出会う前、他の女性と交際していた経験があります。その元交際相手の方全員から同じ言葉を言われて振られました。『あなたの好きは嘘くさい』と」
「え……?」
俄には信じられない。聡一は誰よりも誠実で真っ直ぐに伝えてくれるのだから、それは聡一には最も似つかわしくない言葉だと思った。
「もちろん私は嘘で言ったことはありません。本心で言っていました。けれど、ニュアンスの違いはあれ、毎回同じことを言われて終わりを迎えました」
「そんな。私は聡一さんのこと嘘くさいだなんて思ったことないです! いつだって真っ直ぐに伝えてくれるじゃないですか!」
「ありがとうございます。あなたはどこまでも素敵なお人ですね。あなたが信じてくださって本当によかった」
「聡一さん……」
また苦しそうな表情を浮かべる聡一に、美咲は聡一に触れていた手でそっと聡一を撫でさすった。
「本当はわかっていたんです。彼女たちの言葉の裏にある意味を」
「意味?」
「美咲さん。性行為は避妊しても子供ができる可能性があるという話を最初にしたの覚えていますか?」
「はい」
「そういう行為は結婚して子供を持つ覚悟ができてからすべきという考えを私は昔から持っています。当然過去の交際相手にも伝えました。結婚してからにしようと」
「はい」
「伝えればもちろん納得してみせてはくれましたが、本心では違ったのでしょう。それを避け続けているうちに愛想を尽かされたのだと思います。体では愛さず、言葉でしか伝えないから、きっと信じられなかった」
「そんな……」
そんなことで人の好意を嘘くさいと踏みにじるだなんて美咲には信じられなかった。美咲だって彼と体は繋げていないが、彼の言葉を疑ったことなどない。だから、美咲には理解できなかった。
「それを重要視する人はそう少なくはないということです。ですが、私は自分の意思を曲げることはできず、同じ別れの言葉を口にさせてしまいました」
「口にさせた」という言い方に聡一の優しさが溢れている。聡一に非があると思っているのだろう。だが、彼はただ正直だっただけなのだから、彼に非があるだなんて思えない。経験の乏しい美咲にはわからないが、きっと上手くタイミングが合わなかったとかそういうことなのではないかと思った。
「え……?」
俄には信じられない。聡一は誰よりも誠実で真っ直ぐに伝えてくれるのだから、それは聡一には最も似つかわしくない言葉だと思った。
「もちろん私は嘘で言ったことはありません。本心で言っていました。けれど、ニュアンスの違いはあれ、毎回同じことを言われて終わりを迎えました」
「そんな。私は聡一さんのこと嘘くさいだなんて思ったことないです! いつだって真っ直ぐに伝えてくれるじゃないですか!」
「ありがとうございます。あなたはどこまでも素敵なお人ですね。あなたが信じてくださって本当によかった」
「聡一さん……」
また苦しそうな表情を浮かべる聡一に、美咲は聡一に触れていた手でそっと聡一を撫でさすった。
「本当はわかっていたんです。彼女たちの言葉の裏にある意味を」
「意味?」
「美咲さん。性行為は避妊しても子供ができる可能性があるという話を最初にしたの覚えていますか?」
「はい」
「そういう行為は結婚して子供を持つ覚悟ができてからすべきという考えを私は昔から持っています。当然過去の交際相手にも伝えました。結婚してからにしようと」
「はい」
「伝えればもちろん納得してみせてはくれましたが、本心では違ったのでしょう。それを避け続けているうちに愛想を尽かされたのだと思います。体では愛さず、言葉でしか伝えないから、きっと信じられなかった」
「そんな……」
そんなことで人の好意を嘘くさいと踏みにじるだなんて美咲には信じられなかった。美咲だって彼と体は繋げていないが、彼の言葉を疑ったことなどない。だから、美咲には理解できなかった。
「それを重要視する人はそう少なくはないということです。ですが、私は自分の意思を曲げることはできず、同じ別れの言葉を口にさせてしまいました」
「口にさせた」という言い方に聡一の優しさが溢れている。聡一に非があると思っているのだろう。だが、彼はただ正直だっただけなのだから、彼に非があるだなんて思えない。経験の乏しい美咲にはわからないが、きっと上手くタイミングが合わなかったとかそういうことなのではないかと思った。