旦那様は仏様 ~もっとイチャイチャしたいんです~
「はい、それで大丈夫です」
「ありがとう。ありがとうございます。美咲さん」
「聡一さん。あの、私の話も確かに同じだったんですけど、私にはもう少し話したいことがあるんです」
「はい。何でも仰ってください」

 美咲はここでもう一度気合を入れ直すと、本当に話したかったことを話しはじめた。

「聡一さんに子供のこと言われて、確かにちゃんと考えないといけないと思いました。何の覚悟もないままできてしまったら、少なからず戸惑うはずです。だから、知ることにしました」
「はい……?」
「会社の育休・産休制度を調べてみたり、実際に子供を産んだ先輩に話を聞いたり、あと、うちのお母さんと聡一さんのお母さんにも話を聞きました」

 ただ待っているだけでは覚悟なんて持てないだろうと思い、美咲はまずは知ることから始めてみたのだ。そうしていろいろと知っていくうちに、美咲はだんだんと大丈夫だと思えるようになった。もちろん今すぐ積極的にと望んでいるわけではないが、もしそうなったとしてもきっと歓迎できると今なら言える。そのくらい美咲の心持ちは変わっていた。
< 158 / 177 >

この作品をシェア

pagetop