旦那様は仏様 ~もっとイチャイチャしたいんです~
「……襲っていいです」
「美咲さん、あなたは私をどうなさりたいのですか? 本当に今すぐ抱いてしまいますよ」
「うん」
「はあ……本当にあなたには敵いませんね。今からはしません。まだ痛いでしょう? ちゃんとあなたの傷が癒えるまで待ちます。だから、あまり煽るようなことは言わないでください。ね?」

 確かに今すぐはきついだろうと思うが、聡一の待つが心配でならない。一ヶ月後なんて言いだしかねない。美咲は知らず知らず不満げな表情を浮かべていた。

「ふふ、美咲さんは表情でも語ってくるから困りますね。一週間後にまたしましょうか」
「一週間後……」

 妥当な期間が告げられて美咲は安堵したが、一週間何もないのかと思うとそれはそれで淋しいような気もしてしまう。

「待てませんか? ……では、それまでの間はあなたをかわいがりましょう」
「え?」
「触れるだけにしましょうということです」

 その状況を想像して恥ずかしくなると同時に、本当にそれでいいのだろうかという気持ちがもたげる。

「え……でも……」
「セックスはただ繋がることだけが目的ではありませんよ? もちろん子供が欲しいならそれが必要でしょうが、今はただ愛し合いたいだけなのですから。互いの素を見せて、体に触れて、心にも触れて、そうして慈しみ合う行為だと私は思っています」
「慈しみ合う」
「はい。わかっていただけますか? それとも最後までしないと怖いですか?」

 それがないと不安になって聡一の言葉を信じられなくなってしまうか? と問うているのだろう。そんなことあるわけない。

「あ……大丈夫です。私も慈しみ合いたいです。あの、ちゃんとわかってますよ。それがなかったとしても聡一さんの気持ち疑ったりしません。全部わかってます」
「はい、ありがとうございます。美咲さん」

 聡一がまた背を撫ではじめて、再びまったりモードになる。そのまま聡一が撫でてくれる手の感触を楽しんでいたら、美咲は少しだけ甘えてみたくなった。
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