旦那様は仏様 ~もっとイチャイチャしたいんです~
昼食を済ませたあと、一行が向かったのは怖いと話題のお化け屋敷だ。どうやらこれも苦手なメンバーはいないようで、誰も反対することなく真っ直ぐにお化け屋敷までやってきた。千佳たちが先に並び、その後ろに美咲たちが並ぶ。美咲は四人全員で入るものだと思っていたが、千佳が二人ずつがいいというので、それぞれのカップル同士で中へ入ることにした。
「じゃあ、私たち先入りますね。あ、聡一さん、美咲が怖くないように、手繋いであげてくださいね。それじゃ!」
千佳は田口と繋がれた手を聡一に見せつけるようにしてからお化け屋敷の中へと入っていった。
(ちょっと何言い残してってんの!?)
あからさまな誘導に美咲はひどく動揺した。美咲が聡一と手を繋げるようにしてくれたのだろうが、この状態で二人きりで残されるとどうしていいかわからない。聡一の反応が怖くて、聡一のほうを見れないでいたら、横から楽しそうに笑う声が聞こえてきた。
「ははっ、愉快な方ですね」
「すみません……」
「いいえ。とても楽しいですよ。それにとても親切な方ですね」
「え?」
確かに千佳は親切だと思うが、美咲はこのタイミングで聡一がそれを口にする理由がわからず首を傾げていた。
「美咲さん。手、繋いでも構いませんか?」
聡一は美咲に手を差し伸べている。千佳の言葉に従おうとしているらしい。美咲は今になってこの状況を作ってくれた千佳に深く感謝した。もうこの最大のチャンスを逃すわけにはいくまい。美咲は小さく肯定の返事をした。
「……はい」
差し伸べられたままの聡一の手にゆっくり自分の手を伸ばしていく。すると、美咲がその手に触れるよりも前に、聡一のほうから迎えに来てくれた。しっかりと手を握り込まれる。美咲は初めてのその感触に、もう今にも舞い上がってしまいそうだった。
(どうしよう、どうしよう、どうしよう。本当に繋いじゃった……)
聡一と手を繋いでいる状況にものすごくドキドキとするが、聡一の手は温かくて大きくて、なんだか彼に守られているような安心感もある。彼のぬくもりがじんわりと伝わってきて、美咲はそっとその顔に喜びの表情を浮かべた。
それからすぐにスタッフに促され、二人は手を繋いだまま、目的のお化け屋敷の中へと入っていった。
「じゃあ、私たち先入りますね。あ、聡一さん、美咲が怖くないように、手繋いであげてくださいね。それじゃ!」
千佳は田口と繋がれた手を聡一に見せつけるようにしてからお化け屋敷の中へと入っていった。
(ちょっと何言い残してってんの!?)
あからさまな誘導に美咲はひどく動揺した。美咲が聡一と手を繋げるようにしてくれたのだろうが、この状態で二人きりで残されるとどうしていいかわからない。聡一の反応が怖くて、聡一のほうを見れないでいたら、横から楽しそうに笑う声が聞こえてきた。
「ははっ、愉快な方ですね」
「すみません……」
「いいえ。とても楽しいですよ。それにとても親切な方ですね」
「え?」
確かに千佳は親切だと思うが、美咲はこのタイミングで聡一がそれを口にする理由がわからず首を傾げていた。
「美咲さん。手、繋いでも構いませんか?」
聡一は美咲に手を差し伸べている。千佳の言葉に従おうとしているらしい。美咲は今になってこの状況を作ってくれた千佳に深く感謝した。もうこの最大のチャンスを逃すわけにはいくまい。美咲は小さく肯定の返事をした。
「……はい」
差し伸べられたままの聡一の手にゆっくり自分の手を伸ばしていく。すると、美咲がその手に触れるよりも前に、聡一のほうから迎えに来てくれた。しっかりと手を握り込まれる。美咲は初めてのその感触に、もう今にも舞い上がってしまいそうだった。
(どうしよう、どうしよう、どうしよう。本当に繋いじゃった……)
聡一と手を繋いでいる状況にものすごくドキドキとするが、聡一の手は温かくて大きくて、なんだか彼に守られているような安心感もある。彼のぬくもりがじんわりと伝わってきて、美咲はそっとその顔に喜びの表情を浮かべた。
それからすぐにスタッフに促され、二人は手を繋いだまま、目的のお化け屋敷の中へと入っていった。