旦那様は仏様　～もっとイチャイチャしたいんです～
　そんな出来事があった半月後、美咲は恒例のイチャイチャライフ報告会を行っていた。

「あははは！　こじらせすぎでしょ！　動物羨ましがってどうすんのよ」

　千佳は美咲の話を聞き、目に涙を浮かべて笑っている。

「だって、私が聡一さんとしたいこと見せつけられたんだもん……」
「だからって動物と比べてもしょうがないでしょう」
「まあ、そうなんだけど。そうなっちゃうくらいイチャイチャしたい欲が溜まってるんだもん」

　聡一に触れるようになって解像度が上がったせいか、聡一といちゃつく妄想が止まらないのだ。今までたくさん読んできた恋愛漫画のあんなシーンやこんなシーンを現実にやってみたくてたまらない。

「だったら、その欲を旦那にぶつけなよ。いつも言ってるけどさ。てか、ハグできてるんだから、もういけるでしょ」
「うーん、でも今回は明確な目標があるって感じじゃなくて、なんていうかこうただイチャイチャしたいというか、もっとこう甘えてみたい？　って感じだから……なんか難しい」

　今までは一つ一つ明確な目標があったからわかりやすかった。しかし、今回は漠然とイチャイチャしたいという欲だから、どうやったら上手くいくのかわからない。どうすればいいか考えているうちに、そもそもイチャイチャって何なんだろうなどというあらぬ方向へ思考が飛んでしまって、美咲はどう動けばいいのかわからずにいた。
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