神獣使いのお気に入り

同じペースで横を歩く高貴な方がユリウス様の居住区まで案内してくれるという。

ユリウス様をご存知らしい。

「君はユリウスとどこで出会ったの?」

サファイアの瞳はユリウス様と似ていて、見つめられると少し緊張する。

「私は獣舎で白狼の子供の世話をしております。ユリウス様は騎士団長ですので、よく様子を見にいらっしゃるので、そこで。」

探るような目。それでも気品が漂い嫌らしさなどは一切ない。純粋に知りたいだけのようだ。

「白狼が気に入ってる子か。なるほど、」

上から下まで見られて、覚えとくよと添えられた。

一体この方は誰なんだろう。

ユリウス様を敬称なしで呼ぶことができる人物であることは頭から抜け落ちていた。

衛兵が見え、そこから絨毯が赤い絨毯からオレンジの絨毯に変わった。


衛兵は最高敬礼をし、頭を下げる。


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