神獣使いのお気に入り
「ここから西棟だ。もう少しだから、我慢してもらえるかな?」
本日2度目。美男子に耳元で囁かれた。
その声の直後、腰に手が置かれてグッと身体を寄せられた。
こんな至近距離で異性と歩くなんて経験がない。
それでも、衛兵の驚いた顔に声を出すことも出来ずに先へ進んだ。
西棟に入ると人の往来もあり、すれ違う人は彼を見てみんな一礼をする。
そして、彼の手がわたしの腰にあることを見て驚く。
なんだか、まずい事になってる気がする。
「っ…フィリカ嬢!!!」
聞き覚えのある声は初めて聞く焦り声だった。